レストストロークの基本
レストストローク(Rest Stroke)とは、クラシックギターやフラメンコギターなどで使用される右手指の弾き方の一つです。このテクニックは主に次のような特性を持っています:
レストストロークの定義
レストストロークでは、弦を弾いた後に指を隣の弦に「休める」ようにしてストロークします。これにより、音量が大きくなり、より強いタッチを得ることができます。
レストストロークのやり方
指の位置付け: 弾く弦に対して指を直角に近づけます。
弦を弾く: 指を弦に対して斜めに下ろし、弦を押し下げるように弾きます。
休める: 弦を弾いた後、その指を隣の弦に軽く触れさせることで「休めます」。これにより、振動が止まり、次のストロークに備えます。
レストストロークとフリーストロークの違い
レストストローク | フリーストローク |
---|---|
隣の弦に休める動作 | 他の弦に触れないように弾く動作 |
音量が大きく明瞭 | 音が延びる・持続する |
クラシックやフラメンコなど | ポップスなど |
メロディの強調など | 流暢な演奏など |
速いフレーズは弾きづらい | 速いフレーズなどには向いている |
レストストロークのメリット
メリットはこんなにある!
- 音が明瞭
- 音のコントロールがしやすい
- 表現力の幅が広がる
- 倍音が多くでて音色の幅が広がる
- 副産物的に他のテクニックの幅が広がる
一方デメリットも…
連続的なストロークには向いていない
強くストロークをするために筋力に対しての疲労が大きい
音が大きく音の減衰もはやく起こる
レストストロークの練習方法
レストストロークの練習は、指の力加減、正確な動き、そして音楽表現力を向上させるための重要なステップです。
ポイント
- 最初はゆっくりとしたテンポで、一音ずつ弾きます。
- 反復練習を繰り返す
1,ピックを弦に軽く触れさせる
2,弦を弾く際に隣の弦にピックを休める
3,スタートポジションに元して次のストロークに備える - 鏡を使って自分のフォームをチェックする
- 適度な力で弾く練習をする
- 単純なメロディーやスケールをレストストロークで弾く
- 正確性を失わないように注意
レストストロークの応用テクニック
レストストローク(Rest Stroke)は、ギター演奏における基本的な右手指の技法ですが、これをさらに応用することで、より高度な表現や技術的な挑戦が可能になります。
ダイナミクスを付けてみる
クレッシェンド/デクレッシェンド: レストストロークを使って、同じフレーズでも音量を徐々に増減させることで、ダイナミクスの幅を広げます。特に、メロディのクライマックスを強調する際に有効です。
オルタネイトピッキング(交互ピッキング)の強化
交互使用のレストストローク: レストストロークを交互に使うことで、通常のフリーストロークでは表現しにくい強弱を加えることができます。例えば、iとmの指を交互に使い、一つはレストストローク、もう一つはフリーストロークで弾くことで、リズムと強弱の変化を生み出します。
リズムの強調
フラメンコのラスゲアード: フラメンコギターのラスゲアード技法をレストストロークと組み合わせることで、リズムの強調をさらに効果的に行います。レストストロークでメインのビートを強調し、ラスゲアードでリズムを刻む。
ポリフォニックな演奏
複数の声部: レストストロークとフリーストロークを組み合わせることで、クラシックギターのポリフォニック(多声部)演奏を強化します。強調したい声部に対してレストストロークを使い、背景となる声部をフリーストロークで演奏します。
エフェクトの創出
弦を振動させる: レストストロークの後、指を速やかに離すことで、弦の振動を活用した特殊なエフェクト(例えば、弦がビビる音)を生み出すことができます。これは現代音楽や実験的な演奏において使われることがあります。
技巧的なフレーズ
トレモロの応用: トレモロ(同じ弦を速く連続して弾く技法)の中にレストストロークを挟むことで、リズム的な変化を生み出し、音楽に深みを加えます。