周波数帯域とアンサンブルの住み分け
楽器や人の発する音にはhz(ヘルツ)で表される周波数帯域があります。CD音源などはこの周波数帯域などのバランスを調整してアンサンブルが住み分け出来るようにしています。バンドアンサンブルでパートごとの周波数はいい気はどのようになっているのでしょうか。下記のパートに焦点をあてます。
パート
- ボーカル
- ギター
- ベース
- ドラム
エフェクターでブースターやコンプレッサー、マイクの特性で集音出来る範囲などにその周波数帯域が合わなければ音の「おいしい部分」と呼ばれているものや、アンサンブル内での住み分けが難しくなりますね。そこでギターを中心とした他の楽器等の周波数帯域を調べましたのでまとめてみたいと思います。
パート別比較周対数帯域まとめ
まずは簡単にまとめた表からどうぞ
パート | 主な周波数帯域 | 住み分け |
ギター | 80hz~5Khz | 全体【中~高】寄り |
ベース | 40hz~400hz | 【低め】 |
ドラム | 20hz~15khz | 全体【低め】寄り |
地声 | 200hz~4Khz | 全体【中~高】 |
地声の周波数帯域
一般的な歌っている時の地声の周波数帯域は200hz~4khzで中心は1.5khz~2khzあたりなようです。女性/男性/ソプラノ/テノール/曲調によって変わりますが、基本的にはかなり広い範囲の周波数帯域を網羅しています。
ギターの周波数帯域
ギターもボーカルと同じ音域をカバーしている為、ギターの演奏はボーカルと被らない様に気を付けなければなりません。主な周波数帯域は80hz~13khzで鳴り方や演奏によって中心が変わります。400Hz〜800Hzに胴鳴り、1Khz〜2Khz辺りにコード感、2Khz〜5Khz歪みがあります。
ベースの周波数帯域
ベースの周波数帯域は40hz~400hzになります。ドラムの低い帯域と被りますが、ギター、ボーカル、ベース、ドラムの基本構成のバンドの中では独立したセクションと言えます。周波数帯域が特異性がある分音量などには気を付けなければなりません。
ドラムの周波数帯域
ドラムの周波数帯域は20hz~15khzになります。リズムの要のビートを感じるスネアドラムは200hzあたりがノれるところになります。ドラムも非常に広い範囲の周波数帯域を持っているのが分かると思います。一方でドラムは調整するのが難しい傾向から、アンサンブルに気をかけない人が多いです。
人が聴く事の出来る周波数帯域(可聴域)
人がおよそ聴いて認識出来る範囲の音域(可聴域)は20hz~20Khz
高齢になると高音域が聴こえづらくなるとよく言いますが、人がおよそ聴いて認識出来る範囲の音域(可聴域)は20hz~20Khzです。釈迦に説法かもしれませんが、ここで音楽通の読者様がぱっと思い浮かぶのがSM58などに代表されるマイクの周波数特性ですね。
ちなみにSM58は50hz~15khzが周波数特性ですので可聴域観点ですと下の20hz~49hzと15khz~20khzはあんまり得意じゃないですね。ちなみに一般的なAT4040などのコンデンサーは20hz~20khzになっていてこの可聴域を生業にしている作りと言えますね。
まとめ:CDの様なアンサンブルを作る
こう見るとギターとドラムは特に他の楽器と様々な部分の音域がかぶっていますね。コードや歪みは全面に出過ぎるとやはりボーカルとかぶりますし、胴鳴りやミュート奏法などはベースと被ります。
アンサンブルは周波数音域のバランスをとって成立させなければならなくて、これの究極形態がミックスが完成されたCD音源でしょうか。「CDかと思った」と良く言う人がいますが、これはまさに周波数音域が整理出来ている状態と言えるでしょう。