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定番マイクSHURE58紹介
SHUREの傑作マイクであるSM58。楽器演奏者やボーカリストではなくても間違いなくどこかしらで見たことのあるマイクがこのSM58です。
このマイクの特性やこれから購入を考えている人にとってどうしてこのマイクが広く普及しているのか、マイクの機能性としてはどうなのかを解説していきます。
SHURE58のスペック
公式で記載されているSM58のスペックは以下の通りです。
マイクタイプ | ダイナミック型 |
指向性 | 単一指向性(カーディオイド) |
周波数特性 | 50Hz~15,000Hz |
重さ | 0.33kg |
スタンダードマイクの定番スペックになります。これを指標として様々なマイクのスペックを知ることが出来ますので、SM58は比較対象としても重宝されます。
SHURE58は業界の標準
業界のスタンダードに君臨
Shure SM58は、1966年に発売され、以来50年以上にわたり業界のスタンダードとして君臨しています。当初はラジオやテレビの放送用に開発されましたが、ラスベガスのライブサウンドエンジニアに紹介されたことでライブパフォーマンスでの人気を博しました。
Shure USAでは、「The mics were a hit in Vegas, and entertainers began to embrace these models for live performance」と記載されており、その歴史的背景が明らかになっています。
この継続的な人気は、技術的な進化と共に変わらない信頼性と実績によるものであり、プロフェッショナルからアマチュアまで幅広いユーザーに愛され続けています。
Shure SM58と同等のマイク、例えばShure Beta 58Aと比較されることがありますが、SM58は特にコストパフォーマンスと汎用性で優位性があります。Beta 58Aは高周波特性が拡張されていますが、SM58のシンプルさと耐久性が多くのユーザーに選ばれる理由です
SHURE58のココがすごい!
抜群の普及率
SHURE SM58のすごい所はまずなんといってもその普及率の高さにあります。SM58で慣れてさえおけばどこに行っても安心です。
ライブハウスに置いてある確率は99.9%といっても過言ではありません。ボーカルマイクといえばSM58の事を指し、小学生にマイクの絵を描かせたらSM58を描くという程ポピュラーなマイクなのです。
別格の安さ
また、SM58のすごいところは更にその安さにあります。これだけ普及しているマイクなのにもかからわず、一万円前後で買えるという抜群のコスパを誇ります。一般的にマイクはカラオケ店等で売っているマイクなどは周波数帯域が狭かったり、感度が低かったりしますがSM58はプロのレコーディング現場でも使われる程のクオリティを持っています。マイクとしてはコストは最低ラインかつパフォーマンスは最高峰といえるでしょう。
バランスのとれた性能
可聴領域
マイクを使用するときに求めるのは音質だと思いますが、音質とはなんの事を指しているのかをしっかりと把握している人はあまり多くないと思います。まず、周波数帯域とは低い音から高い音の帯域になります。すごく耳の良い人で聞こえるとされている可聴領域は20Hz~20KHzと言われています。
バランス抜群
SM58はこの領域をほとんど網羅しています。また、20~50Hzあたり以下の周波数帯域はエンジニアによってそもそも切り落とされる場合が多く、その帯域を拾う事の出来るコンデンサーマイクでも低すぎる帯域の音を予めカットする機能が付いているものもありますので、SM58は非常にバランスがとれていると言えます。
また単一指向性はアンサンブルに置いて外部からの音を拾わずに狙った音のみをクリアに収音する事が出来ますので、コンデンサーでは難しいバンド環境での使用にも十分に力を発揮してくれます。
プロの信頼と業界標準
多くのプロミュージシャンがShure SM58を選択する理由は、その信頼性と音質の両方にあります。例えば、ポール・マッカートニーやヘンリー・ロリンズなど、数多くの有名アーティストがこのマイクを使用しています。
MusicRadarでは、「Some of music’s biggest names, from Paul McCartney to Henry Rollins, swear by the venerable old mic」と述べられており、その地位が強調されています。
また、ライブハウスやスタジオでは、標準的なマイクとして常備されていることが多く、SoundRefでは、「As it’s so versatile, it’s common to find a stock of SM58s at a range of venues」と記載されています。
ライブやセルフレコーディングにも使える?
Shure SM58はライブパフォーマンスとセルフレコーディングの両方に適している!
ライブパフォーマンスでの使用
Shure SM58は、ライブステージでの使用に最適化されており、単一指向性(カーディオイド)で背景ノイズを減らし、正面の音をクリアに拾います。耐久性が高く、激しい動きにも耐える設計で、プロのミュージシャンやライブハウスで広く信頼されています。
プロのミュージシャンやライブハウスで広く使用されており、信頼性が高い。多くのレビューで「ライブのボーカルも楽器も対応可能」と評価されています
セルフレコーディングでの使用
セルフレコーディング、例えばホームスタジオやポッドキャストでは、ボーカル録音に特化した周波数特性で暖かく明瞭な音を提供します。内蔵のポップフィルターが息音を抑え、クリーンな録音が可能です。スタンドに固定して適切な距離で使用することで、良い結果が得られます。
単一指向性のメリットとデメリット
主要ポイント
- 単一指向性は、前方の音をクリアに拾い、背後の音を抑えるため、ライブやスタジオで広く使われています。
- メリットは音の分離やフィードバック抑制
- デメリットは破裂音への敏感さや環境音の捕捉制限
メリット
音の分離
単一指向性マイクは前方の音源を明確に拾い、背景雑音を減らすため、例えばライブパフォーマンスで歌手の声を強調できます。
フィードバックの抑制
背後の音をほとんど拾わないため、スピーカーからのフィードバックを減らし、音響環境を改善します。
多用性
ボーカル録音、楽器のスポットマイキング、ポッドキャストなど、さまざまな場面で使えます。
デメリット
破裂音と風切音への敏感さ
「パ」や「タ」などの破裂音、または風切音を拾いやすく、ポップフィルターが必要になることがあります。
特に屋外での使用では注意が必要です。
近接効果
マイクに近づきすぎると低音が強調され、音質が変化することがあります。
ボーカル録音では意図的に使うこともありますが、コントロールが必要です。
環境音の捕捉制限
部屋の残響音や周囲の音を拾いにくいため、空間の雰囲気を録音したい場合には不向きです。
例えば、コンサートの全体の響きを捉えるには他のマイクパターンが適しています。
SHURE58レビュー
頑丈!
実際に使用した感想は、まず初めにその頑丈さに衝撃を受けました。マイクはナマモノですので、適切な保管をしない限りは劣化や故障は付き物です。SM58は衝撃や湿度の変化にも強く、ずっと出しっぱなしにしていても故障しずらいです。
Shure SM58は、その頑丈な作りでも知られています。ステンレススチールのグリルと、内部に搭載された衝撃吸収システムが、落下や衝撃に強く、ライブステージでの過酷な使用に耐える設計です。
多くのミュージシャンがツアー中にこのマイクを信頼して使用しており、PMT Onlineでは、「The mic’s durable construction and the break-resistant stand adapter keep the SM58 going strong through the toughest performances」と述べられています。
この耐久性は、コストパフォーマンスの面でも評価されており、プロの現場で長期間使用される理由の一つです。
長持ち!
また、10年程使用しているSM58がありますが、いまだに現役で続行中で修理にも一度も出したことがありません。1万円程で10年持つのでしたらこれは買いだと思います。
流通量が多いから手入れしやすい!
正規品だとマイクホルダーとケースもついてきますので、スタンドとケーブルさえ確保できればすぐに使用が可能なのがいいところ。マイクケーブルは別売の事が多いですが、一般的なマイクのXLR端子になっていますので、入手はかなり簡単です。
掃除推奨!
ただ、マイクの先端についている丸い部分(エアー式ショックマウント)がポップガードの役割を果たしていますが、ボーカルRECをする方は唾液などの付着で汚れやすくなります。これは一定周期での交換や掃除を推奨します。