デッドポイントって聞いた事ありますか?実はギター奏者にとっては意外と知っておいた方が良い言葉なのです。
デッドポイントとは
DEAD POINT
特定の場所(フレットや音域)でサスティンがいきなりなくなり、音の減衰が顕著に現れる現象
デッドポイントの原因
振動工学的な理由
実はかなり複雑な振動工学(ものすごい数学的な理由)に裏付けされています。
デッドポイントの発生原因について要約をすると、
ポイント
弦の振動とギター本体が共振を起こし、これが逆方向の力で相殺し合い音自体が打ち消しあったりいきなり増幅してしまう現象
もう一つの呼び方
これはギタリストの間や一部の弦楽器奏者の間ではデッドポイントと呼ばれていますが、クラシック界隈ではウルフトーンと言われている様です。共振を起こしますので瞬間的には結構大きな音になりますが、その後相殺し合うので減衰が起こり、この共振がオオカミの遠吠えのように響くからウルフトーンと呼ばれている様です。
他にも狼に由来する単語
そもそもハウリングのハウル(howl)とは遠吠え事ですし、ハウリングもウルフトーンも演奏者にとってはやっかいな存在ですね。
デッドポイントは見つけにくい
共振ポイントは見た目では分からない
理論上このデッドポイントを見つける為にはギター本体と弦の共振点を見つけなければなりません。しかしこれは『ココ!』というのが非常に難しい様です。何故ならギターはそれぞれ形状や質量等が個体によって大きく変わり、同じ機種の中でも何グラムの差でそのポイントもズレたりするからです。
メーカーでの違い
メーカーによってはデッドポイントの報告が多いものがありますが、楽器にデッドポイントはつきもので人気であればあるほど、その報告が多くあがります。また、ハイエンドでも廉価版の楽器に関わらず共振ポイントはあるので高いものを買えばデッドポイントを避けられるというわけでもありません。
デッドポイント改善方法
共振ポイントをずらす
デッドポイント対策には共振するポイントをずらしたりする事が有効とされています。誰でも簡単に出来る2つの方法をご紹介致します。
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1ヘッドに重りをつける
ヘッドに重りを付けることは多くのプロも実践していて、重心のポイントをずらすことで共振に変化をもたらしてデッドポイントを改善する事が出来ます。また、重くするとサスティンが延びるというメリットもあり音質もよくなるのでおすすめです。
重さは100g程が推奨で、硬貨(10円硬貨だと20枚程)などをヘッドの裏に張り付ける人が多いです。
スペックを底上げできる神アイテム
FENDER社からヘッドに取り付ける重り専用のアイテムもかなりおすすめです。これは神アイテム。
これデッドポイントの改善効果もあって、音が延びるようになります。サスティンが延びると演奏が上手に聴こえるので使わない手はない神アイテムです。
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2弦を交換する
弦交換も有効です。弦の太さや巻き方によっても変化します。デッドポイントを見つけて音が気になる場合は、バラ売りしている弦を購入して交換する事で原因を洗い出すのもおすすめです。
デッドポイントの返品交換・修理
デッドポイントは基本的に対応が難しい
交換・返品は難しいようです。見た目だけでは分からず、初期不具合として認めることが難しいためデッドポイントが理由での対応は金的にしてもらえない店舗がほとんどです。
修理も難しく、デッドポイントは共振バランスを変える必要がありますが、バランスを変えると他のポイントが発生してしまう事もあり見た目だけでは直ったかが分からないためわずかな変化で再発してしまうことがあります。
ただ、フレットを打ち直したりピックアップを変えたりトラスロッド調整するだけで改善されることもあるようですのでメンテナンスを一通り試してみてご紹介した方法などで直るかをみてみるのが最善策になります。