Taylorってどんなギター?
最大手ギターメーカーの一つであるTaylor社が製造しているギターであるTaylorシリーズの中でも今回は900シリーズに焦点を合わせてご紹介していきます。
Taylorは日本ではもちろんアメリカでも最も愛されている機種の一つであり、その弾きやすさや音色などからプロの間でも広く使用されています。意外にもまだ歴史は40年程であり、1974年創業であるにも関わらずTaylor社は全米でアコギの販売数No.1を獲得しているようです。
日本では総代理店として株式会社山野楽器が取り扱っているブランドで世界的アーティストのシグネチャーモデルは日本でも高い人気を誇っています。テイラースウィフトのシグネチャーであるミニテイラー(ミニギター)は日本の中でも非常に流通している機種です。
今回ご紹介するのは912や914や他の型番についてですが、Taylorの800や700シリーズまたは600シリーズ以下についても解説しているのでよかったら下記のリンクを参考にしてみてください。
参考:Taylor800シリーズの特徴やスペックの違いとおすすめ
912ってなんの数字?
Taylorは機種の横に数字がふってあります。数字と比例してグレードがあがりますが、詳細には使用している木材が違うということになります。公式では以下の通りに分かりやすいように「516ce」で三桁の意味を解説しています。数字と続く表がリンクしていますので下までご覧ください。
5 1 6 c e (12fret)
5:一番左の数字 1:真ん中の数字 6:一番左の数字
c:カッタウェイ e:エレキ機器搭載(ピックアップ) 12fret:12フレットジョイント
一番左の数字はモデルのシリーズボディバックとサイドの材になります。
数字 | 材 |
---|---|
100 | レイヤード ウォルナット |
200 | レイヤード ハワイアンコアやローズウッド |
300 | サペリ or ブラックウッド |
400 | オバンコール or インディアンローズウッド |
500 | マホガニー |
600 | メイプル |
700 | インディアンローズウッド |
800 | インディアンローズウッド |
900 | インディアンローズウッド |
[word_balloon id="1" size="M" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" balloon="round_2" balloon_shadow="true" box_center="true" border_color="transparent"]700-900は全部インディアンローズウッドだにゃ![/word_balloon]
真ん中の数字の意味はボディトップの材と弦の数になります。
「1」 ⇒ ソフトウッドトップ
「2」 ⇒ 6弦ハードウッドトップ
「5」 ⇒ 12弦ソフトウッドトップ
「6」 ⇒ 12弦ハードウッドトップ
ソフトウッド:スプルースやシダー
ハードウッド:マホガニーやコア
一番左の数字はボディの形状を指しています。
数字 | 形状 |
---|---|
0 | ドレッドノート |
2 | グランド・コンサート |
4 | グランド・オーデトリアム |
6 | グランド・シンフォニープ |
7 | グランド・パシフィック |
8 | グランド・オーケストラ |
cはカッタウェイになります。カッタウェイとは高フレット側を弾きやすいようにボディの下側をカットしている形状の事を指します。
eとはエレキ機材搭載になります。ピックアップを最初から搭載している機種の事で210eとは210という機種にピックアップが搭載しているという事になります。
[word_balloon id="2" size="M" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" balloon="round_2" balloon_shadow="true" box_center="true" border_color="transparent"]110ceとは110機種にカッタウェイがついていてピックアップも搭載しているという事になります。[/word_balloon]
12fretと表記のあるものは12フレットジョイントといって12フレットの場所あたりでボディとネックが引っ付いているのが分かると思います。一般的なアコースティックギターに関しては14フレットが多いですが、12フレットでジョイントすることで、サウンドに厚みがでてパンチの利いた音になります。
V-classとはV-class bracing(ブイクラスブレージング)が施されたバージョンの機種という事になります。ボディの内側は補強と鳴りのためにブリッジの様な木材が装着されています。これがサウンドホールを挟んでV字に作られているのがV-classブレージングです。
X-ブレージングという施行はこれまで人気を博してきて名実ともに普遍的な地位を築いてきました。XブレージングはVと同様にサウンドホールを挟むような形でX形に柱が装着されている状態です。Xブレージングが普遍的になってきている一方でV-ブレージングはそれを更に改良し発展させた究極系と言っても過言ではないでしょう。
Taylor社によるとX-ブレージングよりも音量・サスティン・イントネーションなど各項目において更に発展させている!
900シリーズにみるカッタウェイとPUの違い
上記の事から3つの種類の違いを表に記載しましたので参考にして見てください。
機種 | カッタウェイ | ピックアップ |
---|---|---|
910 | なし | なし |
910e | なし | あり |
910c | あり | なし |
910ce | あり | あり |
910ce V-class | あり | あり |
スペック比較表
912ce
トップ | シトカスプルース |
バックサイド | インディアンローズウッド |
ネック | トロピカルマホガニー |
ブレーシング | V-class |
ボディーフィニッシュ | グロス3.5 |
指板 | エボニー |
サドル | ミカルタ |
ネック幅 | 1 3/4"( 44.45mm) |
スケール幅 | 24 7/8"(631.825mm) |
ケース | taylor DLX Hardshell(ハードケース) |
[word_balloon id="2" size="M" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" balloon="round_2" balloon_shadow="true" box_center="true" border_color="transparent"]究極の一品だね[/word_balloon]
914ce
トップ | シトカスプルース |
バックサイド | インディアンローズウッド |
ネック | トロピカルマホガニー |
ブレーシング | V-class with Relief Rout |
ボディーフィニッシュ | グロス 3.5mil |
指板 | エボニー |
サドル | ミカルタ |
ネック幅 | 1 3/4"( 44.45mm) |
スケール幅 | 25 1/2"(647.7mm) |
ケース | taylor DLX Hardshell(ハードケース) |
[word_balloon id="2" size="M" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" balloon="round_2" balloon_shadow="true" box_center="true" border_color="transparent"]アームレストが綺麗で見た目と音ともにギターの頂点だね[/word_balloon]
値段と音の違い
価格帯はどれもメーカー希望価格100万円を越える資産運用できるギター。超高級ギターの部類に入ります。3桁になると流石に生半可な金額ではないですが、究極の音を追求したい人にとっての後々先祖に語り継がれる1本になることでしょう。既存のギターでは物足りなくてさらにかっこいいギターが欲しい!といった方々が900シリーズという機種にたどり着くのではないでしょうか。ペグやアームレストは一瞬みただけでもそれが特別なギターであることが分かるほどに豪華。800番台の記事でこだわりが詰まったギターを多くご紹介しましたが、本気を出してきたtaylorが次はこだわりをつぎ込んできた究極の芸術品が900番台になります。ちなみに900の下の型番には800~100という機種がありますが、メーカー希望価はシリーズが変わるごとに大幅に値段が変わってきます。名実や値段ともに一級品と言えるでしょう。
スペックは見ての通りですが、700番台や600番台では一時的に引っ込んでいたシトカスプルースがまた800番台から再度台頭してきました。ショートスケールからスタンダードサイズまで幅広く選べるスーパーセレブリティな楽器となっております。
スケール幅は要注意でスケール幅は短いほど弾きやすいと言われていますが、人によってフィット感が違ったりするのでよく確認が必要です。
12フレットジョイントはスケール幅が短くフィンガースタイルや細かい演奏スタイルの人にとってはこのショートスケールのギターは重宝するでしょう。
実際の値段に関しては閲覧サイトや新品中古によって幅はかなり大きく開く様です。
おすすめは?
900番台はどれも超最高峰の個体であると言えます。値段も超一級の値段がします。このシリーズの中では自分に合う合わないが大きなポイントなります。
912はスケール幅が短いので一般的なドレッドノートタイプのギターを使ってた人にとっては少し違和感を感じるかもしれませんが弾きやすさに驚嘆する事でしょう。公式曰く暖かい低音ときらめく高音がおすすめ。
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様々な用途を想定した一本が望ましいですが、オールラウンドに使えて弾きやすく確実な高級taylorサウンドを手に入れたいという人にはやはり914がおすすめです。914は演奏者を選ばず、どんなスタイルのギターでも素晴らしいレスポンスを発揮します。
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音に関しては実際に実機を触ってみない限りはやはり難しいですが、参考までにデモ演奏を載せておきます。
Taylorが他のギターよりも弾きやすい理由
Taylorといえばなんといっても抜群に弾きやすいのにも関わらず音が安定感があって人気という点です。どうしてTaylorギターはそんなに弾きやすいといわれるのかを解説します。
[word_balloon id="1" size="M" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" balloon="round_2" balloon_shadow="true" box_center="true" border_color="transparent"]手が小さい人でも弾きやすそうだにゃ![/word_balloon]
ネックの形状が握りやすい
外国人に比べて体格が小さい日本人でも手軽に扱えるサイズのギターというのが最大の特徴で、ネック幅とスケール幅のバランスやネックの太さが多くの日本人の手にフィットします。
かといってスケール幅が短いというとそうでもなく、アール(指板の湾曲)が特殊なのかというとそういうわけでもないです。
Taylorはなんといっても弾きやすさに対する音の良さが抜群です。一般的なギターではぼやけがちな低音は輪郭がはっきりしていて、高音とのバランスもしっかりしています。高音弦側もしっかりと音の芯がでてピアノなどとのアンサンブルにも埋もれない強さとウェット感を持っています。
他のTaylorとの違い
他のグレードのTaylorとの違いは基本的には前述した機種名で分かるようになっておりますが特出するべき900番台の魅力というのはやはりTaylorの能力をすべてつぎ込んだモデルという事でしょう。更にインレイやフィニッシュも豪華で900番台やそれに付随する機種も素晴らしいモデルではありますが、やはり900番台は拘りの詰まったまさに芸術的なギターと言えます。
600番台や700番台はやはり音色を比べてみると一目瞭然で単板のもつ美しい響きにプロや現場でも多くのミュージシャンが魅了されています。
レコーディングにも使えますし、カッタウェイではギターソロも十分に演奏することが出来ます。アクロバティックなソロギターにも向いていて世界的な日本人ギタリストとなったMIYAVIさんの様なスラップ奏法なども弾くことが出来ます。