この記事で分かる事
ギターの弦を緩めるべきタイミングが分かる
ギター弦は毎日緩める?
毎日緩めるのは間違い
ギター弦は毎回緩めるか、そのままにしておくか?ギターを初めて購入された方は、店員から「毎回緩めてくださいね!」と言われて律儀に毎回練習後だるんだるんにしてる人がいるのではないでしょうか?
逆にネックに負担がかかってしまう
ギターのスタンダードチューニング時のネックへの張力は50kg以上と言われています。緩めていると0kg➜50kgと緩急がついてしまい、ネックへダメージが蓄積されてしまいます。ギターはスタンダードチューニングに耐久出来るように作られていますので毎日緩めてしまうのは注意が必要です。
あまり弾かない人は緩めておこう
そもそも製造された材質や形状や工程によってその特徴大きく変わるギターは、一概に何が正解とは括りづらく楽器店やリペアマンも一般論でより安パイな説明をする傾向がある様に感じます。
今回はあまり弾かない人と頻繁に弾く人で分けています。あまり弾かない人に関しては保存方法としては工場出荷状態と同じにするのが一番です。頻繁に弾くという人に関しては状況分けをして後述して解説していきます。
数週間程度なら緩めない
数週間程度なら緩める必要はありません。保管状態をしっかりしていれば大きなダメージなく置いておいても問題ありません。部屋の湿度や温度なギタースタンドには注意が必要です。
1ヵ月以上は緩める
1カ月以上など長期間放置する場合ですと、その間保管状態の変化が常にかかっている状態で、ネックに一定の圧力がかかっている状態になります。こういった方は弦を緩めるようにしましょう。
ほとんど毎日弾く人
ほぼ毎日弾く!といった方の保存方法ですが、保存状態のチェックとギターの特性によって考えるのがベストかと思います。ほとんど毎日弾く人でも緩めるべきシーンは以下の状況下で想定出来ます。
こんな時は緩める
- 台風など、気圧・気温が急激に変化するとき
- ゲージが太い弦を張っているとき
- ギターの材質や塗装が特別なとき
具体的にはどういった内容になるか解説していきます。
湿度・温度変化で緩める
常にベストな温度や湿度の状態に保つのはなかなか困難ですので、普段はベストな気温と湿度をキープする努力をして、外に持っていく時や寒暖差がある場合など急激に変化が起きそうな時だけ緩めるようにすると良いでしょう。また、直射日光保管面に於いては絶対にNG。
理想の保管環境
湿度は50%の前後5%程度で温度は25度前後が良いと言われていて台風やスコールで急激に湿度が上がって気温が下がる時や外の演奏で外気にずっとあててるとき等はダメージが想定されます。
弦のゲージによって緩める
ギターは製作された段階で張られるゲージがある程度想定されていますが、想定度外視の太いゲージの弦を張っている場合も相応の負荷がかかります。ギターが受ける張力の話はネックの反りについてで前述していますが、張力のかかり方は弦のゲージに相乗して強くなります。
ギターによって想定されているゲージを確認する
メーカーなどに問い合わせなどをしてご自身の持っているギターが想定しているゲージの太さを知ることで自信を持って保管する事が出来るでしょう。
ギターの材質・塗装によって緩める
見落としがちなのが、ギターの塗装やフィニッシュ方法です。塗装は湿度や温度から木材を守る効果もありますのでもちろん仕上げ方によって保存方法に気を使った方が良いです。
頑丈な加工のギターがある
例としてメープル材などにはクリアーによるコーティング加工がされている事が多いです。こういった加工によってネックは頑丈になったりします。更には使用されている材によって木材の密度や比重が大きく変わるのでネックの強さも変わります。具体的な材質や比重などの比較は別項で行っていますので下記のリンクを参考にして下さい。
参考:エレキギギターの重さってどのくらい?【平均】【重いギター】【軽いギター】
緩めると弦が長持ち?
弦への考慮はほとんど無意味
弦自体の劣化を防ぐために緩めるという意見がありますが、確かに弦を引っ張っている状態ですので弦に対しては相応のダメージが入っています。しかし巻弦やプレーン弦等は張力がかかる様に設計されていますので、長期間の張力に対する耐性は圧倒的に強いです。
むしろ酸化やピッキング等で弦自体にダメージが入ったりしてしまうことから弦が切れてしまう事の方が速いので張力に対する弦へのダメージに関してはほとんど考える必要がありません。
コーティング弦で1年もたせる
コーティング弦が市場に登場してからギターの弦は革命が起きました。弦の寿命が圧倒的に伸びて弾きやすさも上がり、爆発的な人気を博しています。コーティング弦を語るうえで避けて通れないのがELIXERです。ELIXERはコーティング弦の国内No.1と名高く数多くのプロも愛用している事で知られています。
どのくらい緩めたらいいの?
どの程度緩めたらいいのでしょうか?30~50kgの張力がかかっている状態のネック、これを完全に緩めた状態ですとネックは張力から解放された状態になります。
緩めきらない方がいい
ギターには弦の張力に対して反対向きに力を加えるトラスロッドが内蔵されているので、トラスロッドの力を少し相殺できる程度にしておくのがベスト
トラスロッドとはネックの中に内蔵されている鉄の棒でネックの形状を保つ役割を持っています。
半オクターブ程下げておく
完全に開放するよりも少しだけネックに対して張力がかかっている状態が好ましいと言えるでしょう。イメージとしては5~10kg程度で半オクターブ程下げた状態で保存しておくことをおすすめします。
また、ハードケースに保存している人は弦を張っていなくても長期間安心して保存的出来ますので保存を考えている人は下記のリンクも参考にしてみて下さい。
結論:ギターの弦を緩めるのはどうなの?
結果としてやはり、冒頭の通り弦は臨機応変に緩めてあげなければなりません。ただ、緩めるタイミングは少し知識が必要な事も事実で初心者には判断が難しいという難点があります。
材質やゲージの太さに対するギターへの影響を気に掛けるのは機材マニアな側面もあり、気を回すのが難しい ので、大きな基準として材質やゲージは特に気にはせず温度と湿度が「一般的な保存環境から大きく逸脱する場合に緩める」と基準を設けるのが最適です。
まとめ
- 長期間弾かない時は緩める
- 気温や気圧など環境の変化が急な時は緩める
- 保管環境を25℃50%程度に保つ
- 緩めるときは緩め過ぎに注意
以上がまとめになります。トラスロッドに関してはギターの弾きやすさや状態に多く影響しますので、知らなかった人は今後のメンテナンスなどの為に調べておくことをおすすめします。
弦の張力と密接にかかわる要因で、自分で調整出来るとかなり弾きやすくなりますので更に詳しく知りたい人は下にトラスロッドの参考記事を貼っておきますので参考にしてください。