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アコースティックギターのオクターブチューニングの確認方法

2019年7月5日

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octave

カポタストを付けた時にやたら音が狂ったり高音部のフレットを押弦するとなんだかピッチが気持ち悪い「開放弦のチューニングは合っているだけどなぁ…」オクターブチューニングがズレている事を疑いましょう

オクターブチューニングとは

通常チューニングだけじゃない!

オクターブチューニングは、音楽、特にギターやベースのような弦楽器のメンテナンスにおいて重要な概念です。開放弦(弦を押さえない状態)の音と、12フレットを押さえた音がちょうど1オクターブの間隔になるよう調整することで、フレット全体で正確な音程を保つことができます。これにより、演奏中に音がズレる問題を防ぎ、よりクリアで調和の取れたサウンドを得られます。

通常、オクターブチューニングはチューナーを使って行います。開放弦の音と12フレットの音を比較し、ズレがある場合、ブリッジのサドル(弦を支える部品)を前後に動かして弦の長さを調整します。これにより、ハイフレット側の音程を正確に合わせることができます。

オクターブチューニングの確認

まずは、普段行っているチューニングとは違うオクターブチューニングの確認をしてみましょう。

①開放弦を合わせる

まずは解放弦でチューニングを合わせます。レギュラーチューニングに合わせましょう。

6弦E
5弦A
4弦D
3弦G
2弦B
1弦E

この時注意するのは、チューニングをしっかり合わせる事。全ての弦をチューニングしたらもう一度確認してしっかり合っているか確認しましょう。

②12フレットのチューニングを確認する

解放弦をしっかりチューニングした後各弦毎に12フレットを押えて音をチェックしていきます。

6弦12フレットE
5弦12フレットA
4弦12フレットD
3弦12フレットG
2弦12フレットB
1弦12フレットE

12フレットのチューニングを確認する時にチューナーを解放弦のチューニング設定と同じにしておきましょう。ヘルツ等の変更はしない事とクリップチューナーでチューニングする場合は付ける位置等基本的にギターのチューニング時の状態も同じだと安定したチューニングが出来るかと思われます。また、12フレットにカポタストを装着してチューニングを確認する手もあります。

③解放弦と12フレットを比較

ここまで、解放弦をぴったりに合わせた後12フレットでチューニングを確認しました。ピッチは同じ音を指していましたでしょうか?それとも少しズレていましたでしょうか?

精度の高いチューナーだと専ら多少のズレは認識出来るかと思います。ギターは調律面ではかなり曖昧な楽器ですので多少のズレは許容範囲内で大丈夫ですが半音くらいのズレになるとさすがにかなり気になります。

ソロならまだ甘受出来ますが、アンサンブルだと目も当てられない。。

④オクターブチューニングがずれているかの判断

ここまでに手順で解放弦と12フレットのズレこそがオクターブチューニングのズレとやって参りました。オクターブでズレている訳ですからもちろん他のフレットのピッチもずれています。

ただ、ピッチズレに敏感になりすぎても完璧に合わせる事はギターの構造上不可能ですので賢い読者様にとっては釈迦に説法ではありますが、ズレの範囲が許容出来るか出来ないか

それは調整に入るかの分岐点になります。ピッチは平均率では半音を100セントと測りますが、耳のいい人だと10セント前後のずれは十分に認識出来るそうです。

更には単音で聴き分けは難しいにしろズレのない音と合わせて聴くと十分に違和感を感じるレベルだそうです。

どこまでいけば違和感を感じなくなるのか?

こればかりは個人による聴力が大きく影響しますので音を識別する能力を持つ特殊能力である絶対音感を持った人がいますね筆者の知り合いにも複数人いますが、5人程インタビューをしてみたところ5人中5人は1セントの差は『分からない』との事でした統計的には5人だけというのは信憑性に足る参考にはなりませんし協力して頂いた心優しい5名の方の絶対音感の精度にももちろんばらつきがあります。

一般論として絶対音感の5人全員が気にならない程度の差ですのでぱっと聴いた感じ1セントというのは聴覚上ほとんど差がないという認識で問題ないかと思います。無料で音感をはかるアプリ等で回っていますが、しっかり基準音A=440hzになっているものはあまりない様で、

アプリによってバラバラで大雑把にAの様です。hzでの認識が曖昧で区別出来ない事を更にセントの違いなんて余程の事じゃないと分からないですよね。。

 オクターブチューニングのリスク

エレキギターだとドライバ一本で出来るオクターブチューニングできますが、アコギだと一気に大変な作業になる。何故ならサドルと呼ばれるギターパーツを

直接削ったりしてチューニングに合わせなければならないからです。ネジを締めるだけのエレキギターとは違ってサドルは削ったりすると「ちょっと待った!」が出来ない。

そして弦との直接的な設置面を削るという事はもちろん音の振動伝達に直接干渉するので最悪の場合、本来の音色を損なってしまう。サドル自体はパーツだけで買い替える事が出来ますが、やはり愛着のあるパーツ等でしたらリペアに頼むのが無難でアコギのオクターブチューニングが浸透しないのはこの専門的技術の必要性が大きな要因になっている。

まとめ

サドルも弦同様に消耗品ですが、弦と違って交換には慎重にならなければなりません。オクターブがズレてるのを見つけたからと言ってサドルをむやみにいじるのも避けましょうギターを構成する大切なパーツですので 慣れていない場合はエキスパートのいるショップにお願いする事を強くおすすめします。

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