カポタストの役割
カポタストをつけっぱなしにするとどういった影響があるかを解説する前に、まずはカポタストの役割と機能について説明させてください。
カポタストとは
カポタスト
カポタストの基本として、カポタストはネック部分に設置し指板のフレットを丸ごと1列押さえることが出来る機材です。クリップするものや巻く式のもの、ネジで固定するもの等があります。アマチュアのみならずプロでも良く使用されるギタリスト必須のアイテムです。中には弦を部分的に押さえるものもあります。
その他出来る事
- 弦交換時に押さえておく
- ヘッドにつけて重りにする(※)
※ヘッドが重いとサスティンが延びるとされていて専用の商品もあります。
カポタストの種類やおすすめについては下記に参考リンクを貼っておきます。
参考:【カポタストのおすすめ】
カポタストつけっぱなしでいいの?
カポタストはつけっぱなしNG
ギターはスタンダートチューニング時は弦だけで50kgほどの張力が加わっています。カポタストは更にギターの張力とフレットへの圧力がかかりますので使用していない時は外しておくのが賢明です。
フレットに負担がかかる
あまりに長時間高負荷をかけているとフレットは浮いたり場合によってはめり込んだり、変形してしまいます。フレットの修理は素人では直すのが難しく、取り換え代もちょっとしたギターよりも高価につくことで知られていますのでなるべくフレットに負担をかけないようにしましょう。
反りに繋がる
ギターの張力に更に負担をかけてしまうのでギターのネックにも負担になります。アコースティックギターの場合はネックの反りが決定的なダメージになりやすいので気をつけましょう。
長期間でなければ大丈夫
フレットに負担やネックの反りに負担がかかりますが、1日つけっぱなし程度ではそこまで変化する事はありませんのでご安心ください。ただし、急激な気温変化や気圧や湿度変化が伴うとダメージを受けやすくなるので気を付けましょう。
結論
フレットを2日以上の長期間つけっぱなしにするのはやめましょう
カポタストつけたままチューニング
カポタストをつけたままチューニングしても大丈夫
カポタストをつけたままチューニングするとナット側とボディ側での弦の緩み方の差が気になるかと思いますが弦の張力が50kgあるのでほとんど関係なくそのままチューニングする事が出来ます。
注意ポイント
カポタストをつけまま弦を巻くとフレットに直接弦が触れている状態で巻き弦がこすれてしまうので注意が必要です。また、カポタストの押弦部分がこすれると摩耗してしまうことがあるので注意が必要
カポタストの使い方
フレットとフレットの間につける
カポタストが下に落っこちないようにカポタストの空いている方を下にしましょう。
カポタストはネックに装着する機材です。基本的にはフレットとフレットの間に配置しますが、下の弦側が押さえづらい人等は下の画像の様にずらして配置してもOKです。
斜めに付ける人も多い
フレットの真上にカポタスト
メリット
付けた時のピッチのズレが少ない
顕著に分かるのがエレキギターにカポタストを装着した場合、弦のテンションが弱いのでカポタストを装着した途端にピッチがずれたりします。これがフレットの真上に付けると不思議とあまりずれないんですよね。取り付け方は下の画像を参照下さい。
これは指板に比べフレットの方が弦に近い高さにある為で、フレットに直接乗っけた方がカポタストが弦を引っ張ってしまう効果を軽減します。
ここまでですと何だか全てフレットの真上に付けても良いのではないかと思ってしまいますが、ではフレットの上に装着するデメリットはあるのでしょうか?
弦のビビりが少なくなる
押さえる力が弱くなっていたり、弦が強すぎてカポタストがしっかりと弦を押さえられてないと弦がビリビリ鳴ってしまいます。フレットの真上にカポタストを付けるとビリつきが軽減されます。
デメリット
付けた後のピッチがずれやすい
フレットの真上に付けると弾いているうちに音がズレやすくなります。フレットの真上に装着してしまうとカポタストとギターの設置面が『線』になってしまう為制御力が弱くなってしまう為です。一方指板に設置するとカポタストとギターの設置面が『面』になるので『線』に比べて弦の制御力が高くなります。ですので『面』である指板への設置に比べ『線』であるフレットへの直接設置の方がピッチがずれやすい/安定性に欠けると言えます。
フレットにダメージがある
フレットはネックに打ち込まれて接着されているものですのでそこに一定の圧力を欠けることがギターに対して良い影響なのか悪い影響なのかは議論するまでもありません。フレットの高さは微細に設定されていて少しでも高さが変化すると直接的に音色に関わったりする根幹の部分です。真上につけるとフレットにとってはダメージになります。
弾きにくい
フレットの真上という事は0フレットに少なからず侵食している状態ですのでFコードなどを押さえたい場合、人によってはかなり押さえづらい感覚になります。特に1弦側はぎりぎりになってしまいますのでローポジションは多少犠牲にする必要があります。
サスティンが減る
0フレットを侵食している状態という事ですが、かなり際に設置しているかカポタストがフレットよりも細い状況下ではない限りはカポタストが開放弦を鳴らした時に少なからず触れてしまう状態になっています。
フレットとギターまとめ
カポタストはつけっぱなしでもいいの?
~1日の短期間ならOK
問題点
- 長期間だとダメージなりやすい
- フレットにダメージが入る
- ギターが反りやすい
カポタストをつけたままチューニングしてもいいの?
そのまましてもOK
メリット
- 楽にチューニングする事が出来る
- カポタストを付けた状態で正確にピッチが合う
デメリット
- フレットにダメージが入る
- カポタストが少し擦れる
フレットの真上につけてもいいの?
いいけどあまりおすすめ出来ない
メリット
- 付けた時のピッチのズレが少ない
- 弦のビビりが少なくなる
- 同じ場所に付けやすい
- etc
デメリット
- 付けた後のピッチがずれやすい
- フレットにダメージがある
- 弾きにくい
- サスティンが減る