EXTREMEのギタリストとしてその名を広く知られ、
テクニカルでキャッチーなプレイスタイルで
世代を問わず根強い人気を誇るヌーノですが、
その強面な容姿からは想像もつかない程に
ファン想いで、
気さくな方だそうです。
そんな彼ですが、
BIMM(British & Irish Modern Music Institute)で
インタビューを受けている様子が
動画で残っていたので、翻訳とともにご紹介します。
彼がどういうスタンスで
ギターと向き合ってきたのか、
またこれからのギタリスト達への
メッセージを語っています。
Nuno Bettencourt - Masterclass
以下
Q:質問 NB:ヌーノ・ベッテンコート
NB.
私がなりたいのはただのギタリストではないと
早い段階から思っていました。
どの様な楽器をやるにしても
それが好きである事が重要で
ギターを弾くとき、ヴァンへイレン等にも
何故彼らが素晴らしいのかを
常に疑問として投げかけていました。
ドラマーが何をしているのか、
アルバムがどのように聴こえるのか、
どの様なアレンジになっているのか
そういった全体を見渡す視野を持つ事は
非常に重要な事だと思う。
Q.
ペダル等、好きな装備はありますか?
NB.
その質問への答えで重要なのはおそらく、
「何を使うのかは関係するし、
何使っても関係しない」って事。
全ては自分の腕次第なんだ。
全ては腕次第。
そりゃアンプの機能は助かるし、
足元のセッティングやギターにもよるだろうけど
控え室にいるギターテックが
私の機材をいじっているとき
私はそれが自分の機材だと気がつかない程に
それだけ私が奏でる音と違ったんだ。
いつもギターのN4を使用してきたし、
アンプは最近マーシャルのJCM-2000を使ってる。
それはとても大切な事に見えだろう。
あ、あと12歳の事からRATは使い続けているけど
ほとんどなにも機能はしていないよ。
RATは歪ませる為じゃなくて、
音底を引き締めてくれる。
どんな機材の前にでも、RATを引っ付ければ
私は基本的にハッピーだよ。
Q.
He Man Woman Haterという曲がありますが、
あの曲のイントロをどうしても
上手く弾く事が出来ません。
あれは一体どうやってやっているのでしょうか?
NB.
それは教えられないなぁ(笑)
最近ギタリスト達すごい上手くなってきてるし
私の仕事も脅かしかねないよ。
というのは冗談で、
ギタリストとして共通して重要なのは
君が誰か他の人のフレーズを弾いて
習得しようとしている時
youtubeとかでは
何人もの人がそのフレーズを
丁寧にあーだこーだ言って教えたりしている
もしかしたらそのアーティスト本人が
丁寧に解説しているかもしれない
それはとてもすごいことだと思うけど、
私はそれを体験してこなかった。
カセットとか聴いて練習してて
誰もどうやって弾くのか
教えてくれる人はいなかったし
クイーンとかヴァンヘイレンのリフを習いたい時
彼らは「こう弾い
ているんだ!」って
カセットとかで聴いたものを練習して
完全に本気で信じ込むんだ。
この練習法の良かったところは自分なりの解釈で
曲を理解することが出来たし、
いざ見たときに指板の全く違うところで
彼らがそのリフを弾いていたとして
それがまったくの見当違いで
がっかりしたとしても
自分なりの演奏を身につける事が出来た
これがその演奏に対する解釈の方法で
自分の演奏技術の発展の仕方でもあるんだ。
そして最後には
ギターが好きだからそれを続ける。
決してお金の為じゃない。
お金の為には絶対にやってはならない。
お金の為にはやってはならない。
約束しよう。
これをお金の為にやったら一銭にもならないだろう
お金は有名になったら…
って言い方はクサイけど
お金は成功に勝手についてくる。
知名度の為にやってもダメだし、
君の友達がかっこいいって言うから
やるっていうのもダメ。
犠牲を払わなきゃいけないけど
それはリハーサルスタジオで寝て
サボるって事じゃなくて
君の中にある感情的なものの全てを
捧げなければならなくて
それに対して突き進まなければならない。
じゃないと誰も信じてくれない。
それが全ての本質なんだ。
客は共にその道を歩みたいんだ。
君は演奏する時にその旅の中に
客を連れていかなければならない。
決して客を魅了しようとしてるのではない。
「私と共に歩んでいきたいかい?」
と問うんだ。
そうする客は君のその旅に
また何度も何度も戻って来てくれる。
それが全てなんだ。