純正率と平均律とは
調律ではしばしば純正率と平均律という言葉を耳にすると思います。近代の音楽では基本的には平均律を用いられることがほとんどで純正率で音楽を楽しむことはほとんどありません。では純正率とはなんなのでしょうか?この記事では純正率と平均律の違いや仕組みを誰でも3分で分かるようにまとめていきます。
純正律と平均律の違い早見表
純正律 | 平均律 | |
普及 | ポピュラーミュージックではほとんどない | ほとんどのポピュラーミュージック |
音の間隔 | 基準音から間隔を完璧にとる | 100セント |
メリット | オクターブ内の和音が美しい | オクターブ以上でも和音が安定している |
デメリット | オクターブ以上離れると不協に聴こえる | オクターブ内で微妙に音がズレている |
ちゃんと調律すると音がズレる問題

調律を行う場合に重要なのは基準音です。基準音とは「この音はこの高さにしましょうね」という共通認識の事で、重さのKgや長さのcm等と同じ様にピアノの真ん中のラの音を440hzに設定しています。
次に基準音を基に次の音を完璧に和音になるように合わせます。その隣もその隣も同じ様に合わせていきといった具合に基準音から絶対的に音を並べていく事で完璧な和音を作り出すことが出来ます。

一方で基準音とまったく同じ1オクターブ上の音は基準音440hzの倍の880hzになるはずですが、実は純正律の様なやり方をすると880hzではなく少しズレてしまうのです。
更に2オクターブ3オクターブと離れるとズレがひどくなり、オクターブだけでなく他の和音構成を作るのでも支障をきたしてしまう為オクターブ以上を演奏出来る様な楽器や楽曲にはこの調律方法は不向きであると言えます。

440hzが何かについては下のリンクからどうぞ
純正律とは

純正律とは上記に記した通り、基準音に対して倍音などを完璧に取っていくことで和音が非常に綺麗に鳴る調律方法であり、オーケストラやコーラス等の大きなメロディーの上下を伴わないような楽器や楽曲に用いられます。
1オクターブ内では無敵
1オクターブ内ではかなり綺麗な和音を奏でる事が出来ます。正確にはオクターブ内でも組み合わせによっては微妙にずれますが、正直オクターブ内では平均律との違いを聞き分ける事は難しいです。
1オクターブ以上は最弱
オクターブ離れると更に音の間隔が広がってしまいますので次第に音がズレていきます。オクターブ内で完結していない楽曲に関しては音の差が広がれば広がる程にズレが明確に聴こえてしまいます。
平均律とは

平均律は上記で記した通り、1オクターブは正確にしましょうという基準で440hzと880hzを基準としてその間を全て平均して割り出す調律のやり方です。つまり1オクターブ12音になりますので(880hz-440hz)÷12という事になります。これが音の間隔になりますので、純正律に比べてわずかに隣り合う音やオクターブ内のトライアドコード等はズレているという事になります。
バランスがいい
平均律はバランスがとてもいいです。オクターブで合わせていくために、どこまで行っても安定して和音を構築していく事が出来るのです。また、可聴領域内でわずかな音のずれを認識する事は難しく、絶対音感の人も平均律の独特のうねりを認識している人とそうでない人で分かれるようです。