弦交換のやり方:4つの手順
初心者にとって弦交換はFコード同様に立ちはだかる大きな壁になります。まだ慣れないうちは人にやってもらったりしてなんとなく誤魔化してきた方も解説とともに弦交換をゆっくり行っていきましょう。今回はフォークギターのやり方になりますので、エレキギターやクラシックギターをお持ちの方はまた別項をご参考下さい。
まず自分のギターがどの種類か分からない人は下のリンクで判断下さい。分かる人はそのまま進んでください。
また、後述されますが弦交換するにあたって交換用の弦を準備する必要があります。弦の選び方が分からない人やおすすめが知りたい人は下記のリンクを参考にして下さい。
参考:ELIXER【エリクサー】コーティング弦の選び方★どれ選べばいいの?違いを完全解説
今回ご紹介する弦交換の手順は大きく分けて以下の3行程あります。
・準備
・古い弦をはずす
・ギターを綺麗にする
・弦を張る
後述するギターを綺麗にする行程はメンテナンスとして重要な行程ですが、弦交換だけをしたい人は飛ばしても問題ありません。ですが、ギターの弦をあまり交換しない人はこういった機会にメンテをする事をおすすめします。
弦交換手順①準備
・ギター
・交換用の弦
・ニッパー(ペンチでも可)
・ストリングワインダー
・ピンプラー
・指板保護洗浄液
・指板を拭くための布
弦交換手順②ギターから古い弦をはずす
弦を緩める
まずは古くなった弦を外していく作業になります。まずはペグを回して弦を弾いても弦が振動しなくなる程度まで緩めます。
回す方向ですが、基本的には上側に付いているペグは上から抱えながら覗き込んだ場合時計回り、下側についているペグは反時計回りで緩める事が出来ます。
この時、間違えて緩める方向とは逆向きに回してしまうと弦が張りすぎて切れてしまう事があるので気をつけてください。緩める方向が分からない人はチューニングのやり方の記事に画像付きで分かりやすく解説しています。下にリンクを貼っておくのでそちらをご参考下さい。
ピンを抜く
作業に取り掛かる前に注意点ですが、ピンは失くしやすいのでしっかり保管しましょう。また、ピンの場所に関してですが基本的にはどの穴にもちゃんと嵌るサイズになっているはずですがギターによってはピン穴の組み合わせが悪くてスカスカになってしまったり窮屈になってしまう事がありますので、気になる人はどこに刺さっていたピンかメモしておくといいでしょう。
弦が緩んだのを確認したらピンを抜いていきます。ピンはテコの原理で抜いていきます。ピンプラーが手元にある場合は使用しましょう。ピンプラーがない場合はニッパーやペンチでも可能です。
弦を切ってはずす
弦が緩めてあってピンが抜いてある状態になりました。ここまできたら弦を切って外しやすくします。
切る位置ですが、弦を引っ張って抜くときに余計にペグに傷付けない為に上記の動画の位置のナットあたりを切りましょう。
弦を切ったら弦を取り外します。
弦は可燃ゴミ
取り外した弦の処理についてですが、嵩張らないようにまとめて可燃ゴミに捨てましょう。
以上で弦の取り外し作業はおしまいです。
弦交換 手順③指板の洗浄・保護
こちらの手順は必ず行わなければいけない訳ではないので、次の手順に飛ばしてしまっても問題ありません。オイルやポリッシュなどを持っている方やメンテ用品を持っている人はお読みください。
弦を外した状態で露出した指板の汚れと保護や保湿を行っていきます。
指板やサウンドホール周りを乾拭き
まずは乾いた布でギターの埃を取っていきます。ブリッジとサウンドホールの間の部分など埃が溜まりやすい部分など忘れないように拭き取りましょう。
使用する布はギター本体を傷つけない様に硬い素材は避け、柔らかい素材にしましょう。ギター用にクロス等も販売されていますのでそちらを利用するのもいいと思います。
オイルやポリッシュで指板を洗浄
オイルやポリッシュがある人は指板を綺麗にします。洗浄・保護液は必ず指板用のものを使用し、ギターに合ったものを説明書を読んだ上で使用する様にして下さい。
フレットとフレットの間の木の部分を一箇所ずつ磨いていきます。手アカや埃などを落としていきます。
オイル類のつけ過ぎに注意
洗浄液については布に付けた後に指板に塗っていきます。この時に特に注意したいのがフレットへのダメージ。フレットは指板に絶妙な計算の上に打ち込まれていて少しでも浮いたりすると音程に大きく影響を及ぼし、最悪の場合演奏がまともに出来ない程狂う事もあります。木や金属は温度や湿度で状態変化を起こしますので液体の過剰な塗布は避ける様にしましょう。
指板を洗浄したら乾拭きで余分な水分油分を拭き取って指板の洗浄は終了です。
弦交換手順④弦を張る・巻く
では、弦を張っていきます。弦が入っているパッケージを空け1弦から張っていきましょう。弦は色分けされていたり、袋に弦の太さが書かれていますが袋から出してしまうと区別が難しくなってしまうため、必ず一本ずつ使用するものから出すようにしましょう。
ではまずは1弦から張っていきます。1弦を出して弦を折らない様に気を付けながら解きます。
こちら側をピンの穴に入れます。
入れたらピンを上から押し込み弦を軽く引っ張って余分に押し込んだ分を出します。
ピンで固定出来たら1弦のペグに弦を通します。
ペグの穴は予め弦をまっすぐに伸ばせるように向きを揃えておきましょう。
弦を通したらまっすぐになるように引っ張ります。ペグから次のペグまでを大体はかります。
測れたら折り目を付けて弦を巻いていきます。
※ギブソン巻き/マーチン巻きを行う場合は折り目を付けたら巻かないで下記のリンクから続きの作業を行ってください。
巻く向きが分からない人はこちらからどうぞ。
折れ目を付けた状態にしておくと弦を巻きやすくなります。弦は上から下へ順になるように綺麗に巻くようにしましょう。
この時にストリングワインダーがあると非常に楽です。
巻き終わったら余分な弦は切ります。切ったときに弦が跳ねたり跳んだりすることがありますので慎重に行ってください。
巻いた後のチューニングは最後に全ての弦を巻き終わった後に行いますので、とりあえずは緩めにしておいて問題ありません。
これで1弦は完成。2~3弦も同じ様に行っていきます。3弦についてはペグが端にありますので目分量で長さを測って折り目を付けます。
これで1~3弦までの弦は完成です。ここまで出来たら4~6弦側を行います。
4~6弦は巻く方向が変わりますので気を付けて行うようにしてください。
一回ごとに余った分の弦を切る必要はありませんが、最後にまとめて切ると下の画像の様に嵩張ってしまいます。
4~6弦は1~3弦に比べ太くなりますので比較的に力が必要ですが、くれぐれも引っ張り過ぎなどに注意して行ってください。
これで上下1~6弦ともに終わりました。弦交換は以上で完成です。